ダグラス・エンゲルバート氏とトラクション・ソフトウェア社の歴史

2015/05/19 · · 投稿者 Takashi Okutsu

AugumentTeamPageは、「ジャーナル」と呼ばれるデータベースを採用しています。このデータベースの源は、1960 年代にダグラス=エンゲルバート氏 (Doug Engelbart) が発明した、世界初のハイパーテキスト・システムである NLS (oN-Line System) にあります。TeamPageの時系列データベース構造、記事+段落IDによるアドレス指定、その他の多くの設計思想は、ダグラス氏の業績からヒントを得たものです。

※ジャーナルとは ... 英語で「日記、日誌、議事録など」または「日記、日誌、議事録などを書く」という意味の言葉です。また、コンピューター機器の通信記録や更新履歴などの情報を指します。

ダグラス氏とトラクション・ソフトウェア社の関係

1960年代の後半、ダグラス氏は、マウス、ハイパーテキストと映像を利用したインタラクティブなスクリーン、動的な要約抽出、その他の発明と共に、チームワークの向上と問題解決を目的とした「ジャーナル」を開発しました。

初のハイパーテキスト・ジャーナル・システムは、インターネットの前身である ARPANetネットワーク・インフォメーション・センターの一部として展開され、SRI ARPANet ノード 3 (いわゆるインターネットの第3接続ポイント) として始まりました。

トラクション・ソフトウェア社の社長であるグレッグ=ロイド (Greg Lloyd) は、ブラウン大学でコンピューター科学を学んでいた 1969年頃、アンディ=ヴァン =ダム氏 (Andy van Dam) とテッド=ネルソン氏 (Ted Nelson) による最初のハイパーテキスト・システムを通じて、ダグラス氏の業績のことをよく知るようになりました。1980年代後半にダグラス氏とアンディ氏がコンテキスト・コーポレーション社の技術顧問委員会のメンバーになり、グレッグは、そこで彼らと一緒に仕事をしていました。このコンテキスト社の製品「コンテキスト」は、航空機のメンテナンス用マニュアルなど向けの、更新履歴や初期のマークアップ言語 (SGML) サポートした、商業用ハイパーテキスト編集公開システムでした。

ダグラス氏とアンディ氏は、オレゴン州ポートランドにあるコンテキスト社を会合のためによく訪れ、グレッグはそこで一緒に食事したりハイパーテキストの歴史や進化について話したりしました。グレッグにとってダグラス氏はヒーローのような存在で、「彼の静かな微笑みと共に、鋭い判断力や深い理解力、先見性、分別のある振る舞いをよく覚えている」そうです。

ダグラス氏の「ジャーナル」とは?

さて、「ジャーナル」とは、どんなものなのでしょうか? 以下、ダグラス氏による説明を紹介します。

我々のジャーナル・システムは、1966年くらいの頃に思いついた仕組みです。個人でもグループでも使えて、コンピューター操作の下支えとなる仕組みで、ナレッジ業務のタイムライン的な管理を手助けするモノが欲しかったのです。そして、次の2つの理由から、早い段階で「ジャーナル」という言葉を思いつきました。(1975年)

  1. 記録を残しておくべき仕事(英語で「ジャーナル」という単語は「記録を残す」ことを意味します)において、出来事を後から変更できない方法で時間順に記録しておくことがとても重要に思われました。例えば、何かの企画に関わったり、計画の立案をしたり、大きなプロジェクトの問題解決を行ったり、状況を確認したりしたときの記録です。これらの記録を最初の状態のまま保存しておき、なおかつ後で統合・整理して使用できると良いと考えました。
  2. また、単に記録を残すだけでなく、関連する会話や問答も記録できるものがあると良いと考えました。

下図は、ダグラス氏の「高いパフォーマンス組織の実現に向けて〜グループウェアの戦略的な役割」からの引用です。(原文: 'Toward High-Performance Organizations: A Strategic Role for Groupware' Douglas C. Engelbart, Bootstrap Institute, June 1992 (AUGMENT,132811) - Doug Engelbart Foundation dougengelbart.org...

この図では、ナレッジの発達が次の 1 から 3 に分類されています。

  1. 会話や問答の記録: メモ、状況の報告、議事録、何かを決定するまでの経緯、デザインの根拠、変更要求、注釈、教訓
  2. 外部的なインテリジェンス: 記事、本、報告書、書類、会議の議事録、カタログやパンフレット、市場調査、業界の動向、競合の情報、仕入先の情報、顧客の情報、新しい技術や方法
  3. 知識的な生産物: 提案書、計画、予算、契約書、マイルストーン、デザイン仕様書、製品説明書、テスト計画やテスト結果、未解決問題

CODIAK Process

業務情報の蓄積と共有のためのTeamPageジャーナル

TeamPage は、この「ジャーナル」の思想を設計に取り入れていることからわかるように、日々の業務内容を記録・蓄積し、ナレッジとして共有できる仕事環境を提供します。

「日々の業務内容を記録・蓄積」と言っても、難しく考える必要はありません。多くの企業では、メールを使って日々の業務連絡を行っているのではないでしょうか。

TeamPage は、メールでの投稿をサポートしていますので、メールでのやりとりの際に投稿用メールアドレスにCCするだけで簡単に情報の蓄積や共有を実現できます。その際、キーワードによる自動タグ付け(自動カテゴライズ)もも可能です。

投稿された内容は、閲覧権限でフィルタリングされ、毎日ダイジェスト(まとめメール)として配信されます。TeamPageが自動的に日報を作成してくれるわけです。

社員が自分のノウハウを社内SNSで発信したり社員が日報を書いたりすることにはエネルギーが必要です。まずは、TeamPageで、社外パートナー企業、取引先、顧客とのメール会話をそのまま記録として残すことから初めてみてはいかがでしょうか。日々の仕事が自然と蓄積され、共有・配信され、ノウハウとなり、次のアクションにつなげられます。

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