情報共有、仕事共有、そして責任共有を支えるワーキングスタイル

2010/08/31 · · 投稿者 Masayuki Kojima

メンバーは、個々に与えられた目標に向かって、その分担事項を、あるいは専門性事項の達成に日々努力し、リーダは複数メンバーの個々の進捗を掌握し、必要に応じてその方向を修正するための日常的な意思決定を行う。これが恊働隊であり、チームである。

といった、時代とそれを支えてきたワーキングスタイル(チャネル)の時代は終わった。かつて、そう私が育った、それ故に私の根底に(も)ある、「私が欲しいのは彼らの "" なのになぜ、なぜかれらは "" を使うのだ。」という、工業化社会にヘンリーフォードが言ったとされる上記表現は通用しない。「私が欲しいのは "" なのに、なぜ彼らは "考えようとしないで、言われたことだけをやる" のか」、そう考えている人が、またそう考えなければこの変化の時代を生き延びられない。

現在のチームメンバーに求められるものは "手" であり "頭" である。これを支えるためのワーキングスタイルがスペースなのです。情報共有はリーダのためにあるのではなく、日々作業とアイデア出しとその検証、意思決定、そしてチーム全体の(連帯)責任を負わされている(失礼、負っている)メンバーのためにあるのです。情報共有は。

では、リーダは何をすればよいのか。リーダはチーム全体で責任を果たすための音頭取りをする(指揮者を演じる)ことが、責務なのです。個々の意思決定が間違わないように、情報が流れているかを監視し、コミュニケーションのあり方を指導することなのです。

そして、リーダの最も困難な仕事、それ故にメンバーより高額の給与がもらえるとすれば、それは「チームビジョンの内面化」です。「ビジョンは言うに易く、身にするに難い(がたい)」のです。

TeamPage は、情報共有ツールではなく仕事共有ツールだ、と位置づけた。日々の仕事を共有するためのツールです、何のために共有するのか。チームメンバーが責任を共有しビジョンの実現を目指すためなのです。

そう考えると、メンバーは日常的な自分の仕事の進捗報告だけでなく、仲間の仕事に助言する責務の遂行に TeamPage を使う、すなわち適切なアドバイス、賛成反対の意思表示、関連アイデアなど、価値をアップするコメントが必要になります。

報告の場しての TeamPage だけでは、もったいないのです。また、であれば「やらされ感」があり成功しないのです。TeamPage 導入に際してはチームワーク自体を「私する人、あなた決める人」というかつてのチャネル型(責任集中型)リーダシップから「みんなで決める人、あなたは支えてね」というあたらしいスペース型(責任共有型)へと事前、あるいは同時進行型に変えることが必要なのです。

これを「風土改革」「組織変更」と呼び、大げさにことを構える、そんな時代も終わるのかもしれません。日常茶飯事的に、細かいところから、部分導入から、スモールスタイルから、ワーキングスタイルを変える、そういった機運とツールはそろったのでしょう。

情報共有は、仕事共有のために、そしてそれらは責任を共有しビジョンを達成するために。

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